鹿児島県と宮崎県に残る旧薩摩藩領内の外城と麓の町並み記録です。
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綾町は宮崎県中西部に位置する町で,薩摩藩の外城が置かれたところです。藩政時代は綾郷と呼ばれ,関外四ヶ郷(高岡・穆佐・倉岡・綾)の一つとして,薩摩藩の国境を守る重要な役割を負っていました。綾町の北俣地区に往時の麓らしい町並みが残っています。

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綾城からの眺め

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綾麓の町並み(2009年)
北俣地区。街路に沿って石垣と生垣が続き,樹齢100年は超えそうなイヌマキが見られます。

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北俣地区の武家門
腕木門。左右に小屋根と袖屋根を備える立派なもの。

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北俣地区の武家門

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北俣地区の武家門
街路から奥まったところに建っています。背後の山上にそびえる城郭は綾城(右上)。

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綾城
築城は元弘年間(1331〜1334)。足利氏家臣の細川氏が築城したと言われる。綾城は伊東氏48城の一つとなるが,一国一城令により廃城となった。本丸址に模擬天守閣として戦国初期の城楼建造物が構築されました。重厚な建造物で3階の展望楼からの眺めはとても良好です。

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北俣地区の武家門
綾麓は整然とした町割りはないものの,多くの武家門が残っています。

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北俣地区の町並み
野石積みの石垣と生垣が続く一画。用水路には冷たく綺麗な水が勢いよく流れていました。

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白壁の蔵と武家門(北俣地区)
白壁の蔵は綾麓のシンボル的な存在でしょうか。綾町の文化財に登録されてよさそうです。

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北俣地区の町並み
カーブする街路を挟んで2棟の武家門が斜めに向かい合って建っており,往時の風景そのままのような趣きがあります。

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北俣地区の町並み

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北俣地区の武家門
腕木門。左右に小屋根と袖屋根がつく立派な門です。綾麓はこの形式が多い。

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北俣地区の町並み
腕木門。主屋根を支える腕木が見えます。

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綾八幡神社(左)と綾の稲刈り風景(右)
訪れたのは9月で稲刈りの真っ最中。レンタサイクルを借りて移動しました。

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黒葛原家武家門(北俣地区)(2009年)
潜戸を備えた立派な門です。綾町の代表的な武家門で綾町の有形登録文化財。隣りに防火用の消火栓を備えています。

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北俣地区の武家門

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綾麓の町並み(2007年)
綾麓を最初に訪れたときの様子。FinePix使用。

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綾手づくりほんものセンター(左)と綾酒泉の杜(右)
綾町の中心市街地は南俣地区。左は綾の物産館。となりでレンタサイクルを借りることができます。麓巡りに自転車は最適。右はワイナリーを併設する雲海酒造直営の観光施設。綾で生産される綾ワインを販売しています。

上の物産館から車を15分走らせると、本庄川(綾南川)の渓谷に架かる歩行者専用の照葉大吊橋を訪れることができます。有料。照葉大吊橋の上から本庄川の渓谷と日本有数の照葉樹林の景色を楽しむことができます。

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照葉大吊橋
高さ142メートル,長さ250メートルの大吊橋。歩行者専用吊橋として大分県九重町の九重夢大吊橋に次いで2番目の高さを誇る。背後の山に照葉樹林が広がります。

綾町の照葉樹林は,大淀川支流である綾川流域に2500haもの原生的な照葉樹林帯が残ります。隣の小林市・国富町・西都市・西米良村にまたがる1万haを保護地区として,広大な照葉樹林の復元を目指し,九州森林管理局や宮崎県などが中心となって,綾の照葉樹林プロジェクトという取組みが行われています。

訪 問:2009年9月21日(一部:2007年7月)
備 考:ユネスコエコパークセンター,ワイン特区,綾麓に残る武家門は9棟。
参 考:綾町HP,九州森林管理局HPなど

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